Japanese
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特集 消化器癌の相対非治癒切除
胸部食道癌のstage Ⅳ症例とその相対非治癒切除について
Prognostic analysis of relatively non-curative resection of intrathoracic esophageal cancer
鶴丸 昌彦
1
,
秋山 洋
1
,
小野 由雅
1
,
渡辺 五朗
1
,
宇田川 晴司
1
,
鈴木 正敏
1
Masahiko TSURUMARU
1
1虎の門病院消化器外科
pp.1293-1297
発行日 1988年8月20日
Published Date 1988/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210145
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はじめに
胸部食道癌では,切除例の約70%にリンパ節転移がみられ,そのほとんどがn2,n3以上である(表1).すなわち,stage Ⅲ, stage Ⅳが約60%を占めている.このように食道癌では進行例が多く,根治切除ができたと思われても術後に再発がくることはしばしば経験するところである.
相対非治癒切除とは,明らかな癌遺残はないが,かろうじて切除できたか,という切除である.もちろん,poor riskなどのため十分なリンパ節郭清ができなくて相対非治癒切除になることもあるが,すべての条件を加味して相対非治癒切除を論ずると,複雑になるので,本稿では,R3郭清が行われた症例での相対非治癒切除について論じてみたい.
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