Japanese
English
外科医の工夫
特殊加工Silicone製T-tube(CFT字ドレーン)の臨床応用
The use of silicone T-tube (CFT drain) in biliary surgery
宮薗 光
1
,
小野 由雅
1
,
川村 武
1
,
鶴丸 昌彦
1
,
秋山 洋
1
Hikari MIYAZONO
1
1虎の門病院消化器外科
pp.947-951
発行日 1981年6月20日
Published Date 1981/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207730
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はじめに
胆道外科手術におけるT-tubeの使用の歴史1)は古く,その有用性は現在でも高く評価されている.そして,T-tubeの材質に関しても種々検討されてきた.たとえば,古くから使用されているred rubber tube,さらに含硫黄量の少ないlatex rubber tubeや最近ではsilicone tubeなどがある.しかし,これらのtubeは各々,利点と欠点を有している.すなわち,従来のrubberを材料とするT-tubeは,組織に対する反応性が強いため,長期間胆道内に留置することにより,胆道粘膜に炎症反応を起こさせ,結石の形成や胆道狭窄の原因となつたり,腹腔内露出部の瘻孔形成部に腸管癒着を起こし,腸管通過障害の原因となつたりする場合がある.これに対して,siliconeを材料としたT-tubeは,組織に対する反応が弱いため,胆道に対する影響は少ないが,腹腔内露出部での瘻孔形成が悪く,T-tube抜去時,胆汁の漏出がみられ,胆汁性腹膜炎を併発する場合がある.そこで,われわれは,rubber tubeとsilicone tubeの長所を生かすために特殊加工を施行したsilicone製T-tube(CFT drain)を製作し,臨床症例に使用したので,その成績を報告する.
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