特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
4.食道手術
頸部食道癌手術
宇田川 晴司
1
,
鶴丸 昌彦
1
,
木ノ下 義宏
1
,
堤 謙二
1
,
梶山 美明
1
,
松田 正道
1
,
秋山 洋
1
1虎の門病院消化器外科
pp.64-68
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902021
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頸部食道癌の術後管理で最も重要なのは声帯機能を含めた呼吸管理であるが,想定し得る術式が多様なため術式別のきめの細かな配慮が必要である.喉摘術の有無,喉頭温存の場合の反回神経麻痺の有無,胸骨縦切開や右開胸などによる縦隔郭清の有無,胸部食道切除の有無,特殊例ではGrilloの手術となる場合,それぞれに注意すべき要点は少しずつ異なっている.そのほかにも,合併切除による甲状腺,副甲状腺の術後機能低下や血管吻合を伴う腸管遊離移植を行った場合の移植片血流への配慮など,各条件に応じた合併症予防策,探知対策がとられなければならない.胸部食道癌手術症例ほどではないが,近年増加傾向にある肺動脈血栓症にも注意が必要である.
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