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特集 老人外科—老年者胆道系疾患の外科
老人の胆道系手術への安全な道—胆石症を中心にして
Steps to the improvement of the results of the biliary tract surgery in elderly patients:chiefly on the gallstone disease
林 四郎
1
,
志賀 知之
1
,
苅部 徳郎
1
Shiro HAYASHI
1
1信州大学医学部第1外科
pp.625-631
発行日 1974年5月20日
Published Date 1974/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206034
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はじめに
1973年10月28日に山口市において開催された日本臨床外科医学会総会の席上,「老年者胆道系疾患の外科」と題されたシンポジウムのなかで「老年者胆道系手術への安全なる道」という副題のもとで胆石症,悪性腫瘍による閉塞性黄疸に対する筆者の見解を述べた.本特集においてその概要を述べるが,誌面の制約もあるので,ここでは胆石症にだけ触れることにし,閉塞性黄疸に関する問題は近日発行される「手術」誌上の拙稿を参考にされれば幸甚である.
さて老人の胆道系手術をより安全なものとする方法として,われわれは如何なる点に留意したらよいのであろうか?老人にかぎらず,安全な手術への道を開くためには適確な手術適応の決定,確実な手術手技,きめこまかい術前から術後にかけての管理の3者を満足させるような努力が何よりも必要なことであろうと常々考えており,これに関する記載もしたことがあるが,老人の胆石症患者に対してはとくにこの点が強調されすぎても過言とはいえまい.
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