Japanese
English
特集 胆道外科のPitfall
胆石症と胆道癌
On the relationship between cholelithiasis and biliary tract cancer
代田 明郎
1
,
三樹 勝
1
,
藤島 義一
1
,
清水 淑文
1
,
寺岡 資郎
1
,
吉岡 正智
1
,
田尻 孝
1
,
岡田 靖朗
1
,
斉藤 裕
1
Akiro SHIROTA
1
1日本医科大学第1外科
pp.1071-1081
発行日 1972年8月20日
Published Date 1972/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205655
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
「胆石症と胆道癌」と並べると,片や良性の代表的胆道疾患であるし,片や悪性疾患であるから,これを誤診するなり,処置を誤つた場合には,患者の予後に関与すること大であるのは言を俟たない.ところが,皮肉なことにこの良性と悪性の両者の疾患が併存することがしばしばあり,これが特徴でもあること,また両者の臨床症状に差異が全く見出せないことの多いことが,われわれ外科医にとつての泣きどころでもある.例数から申せば,圧倒的に前者の方が多いのであるが,さりとて安心していると,時たま後者の症例に遭遇して苦い経験をする.つまり落し穴(pitfall)に陥るわけで,現時点では避けることのできない宿命のようにも感ぜられる点もあるが,しかしながら過去のこれらの経験例を整理してみると,このpitfallに陥らぬような対策がおのずから見出されるような気もする.そこで自らpitfallに陥つたような症例1〜2を述べ,その反省の上にたつて一般的な対策を述べてみたい.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.