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特集 老人外科—老年者胆道系疾患の外科
膵内胆管癌および膨大部癌の病態生理—特に肝外閉塞性黄疸時の肝機能および微細構造の機能からの考察
Pathophysiology of the intrapancreatic bile duct carcinoma and periampullary carcinoma
菅原 克彦
1
,
柏井 昭良
1
,
三谷 進
1
,
河野 信博
1
Katsuhiko SUGAHARA
1
1東京大学医学部第1外科
pp.615-623
発行日 1974年5月20日
Published Date 1974/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206033
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はじめに
膵内胆管癌および膨大部癌の共通した症状は肝外閉塞性黄疸であるほか,これら疾患は比較的高齢者に多い.したがつて治療対策は単なる病巣部の切除,biliary diversionのほか黄疸の病態生理を理解した患者管理が必要となり,しかも高齢者であることを念頭におかねばならない.早期の病態でこれらの癌が発見されるのはなお少ない現状であり,根治的切除術が行なわれる例は少ない.早期の癌とは切除可能な例を意味せざるを得ないが,この際はもちろん合併症も稀であり,他の管腔臓器癌の術後管理と大差ない.現状では進行癌が多く,したがつて老齢,黄疸のため重篤な合併症をきたし易く,外科臨床上複雑な問題点がある.本稿では肝外閉塞性黄疸症例の肝機能および肝細胞内微細器官特に生体の主要エネルギー産生分画であるミトコンドリアの機能面から肝外閉塞性黄疸時の肝の病態生理を再検討した.
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