特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識
Ⅵ.乳腺
悪性腫瘍
榎戸 克年
1
,
明石 定子
1
Katsutoshi ENOKIDO
1
1昭和大学乳腺外科学教室
pp.271-275
発行日 2013年10月22日
Published Date 2013/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104819
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術前に必要な基本画像
乳癌診療では,マンモグラフィ,超音波診断,MRIなどの異なるモダリティを組み合わせて診断を進めていくことが重要である.一般的にマンモグラフィ・超音波は,検診,病変の質的診断,生検の適応判断,経過観察などにおいて大きな役割を果たし,MRIは術前の広がり診断として有用性が確立している.
StageⅠ,Ⅱの浸潤癌において乳房温存療法と乳房切除術とでは生存率に差がないことが大規模臨床試験で証明され,日本でも2003年以降は乳房温存療法と乳房切除術の割合が逆転し,2006年には約60%が乳房温存療法となった1).しかし,切除範囲の縮小は局所再発の増加につながる可能性があるため,手術適応・切除範囲の決定には画像による乳管内進展の術前診断が重要である(図1).
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