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あとがき
瀬戸 泰之
pp.128
発行日 2011年1月20日
Published Date 2011/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103407
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私が編集委員に加えていただいて,最初の「あとがき」となります.月1回開催される編集会議に出席していると,編集委員の先生方や編集部の方々の「臨床外科」をさらにパワーアップさせたい,よりよい情報を読者の方々に届けたいという熱い思いを感じずにはいられません.小生も微力ながら貢献できればと思っております.
さて,本号の特集は「医療経済からみた大腸癌化学療法」です.医療経済に関して様々な議論がなされている昨今,2011年の冒頭を飾るにふさわしい企画と思います.小生が医師になった頃は(小生だけかもしれませんが),大腸癌化学療法に限らず,どんな治療法でも自分が行っている内容に一体どのくらい費用がかかるのかについては関心すら持っていなかった記憶があります.それだけ医療側は費用を気にせず治療を行っていたし(行うことができた),患者側も皆保険制度のもと,何はともあれ受け入れていたということでしょう.それではなぜ今,「医療経済からみた」が必要なのでしょうか.第一に,ご承知のように医療費が高騰し,国の財政そのものを圧迫しだしていることと,それを支える財源が逼迫していることが挙げられます.また,なぜ「大腸癌化学療法」なのでしょうか.効果は得られるけれども非常に高額の薬剤が普及しだしたからでしょう.
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