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特集 癌外科治療の日本と海外との相違点
肺癌外科治療における日本と海外の違い
Differences between Japan and other countries in the surgical treatment for lung cancer
淺村 尚生
1
Hisao ASAMURA
1
1国立がんセンター中央病院呼吸器外科
キーワード:
肺癌
,
多モダリティ治療
,
腺癌
,
扁平上皮癌
Keyword:
肺癌
,
多モダリティ治療
,
腺癌
,
扁平上皮癌
pp.772-775
発行日 2010年6月20日
Published Date 2010/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103080
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要旨:肺癌の外科治療におけるわが国と諸外国との差異は,肺癌そのものの病理生物学的特性,診療を取り巻く環境,診療制度のあり方などによって生ずるものである.わが国においては,アメリカと同様に肺野末梢に発生する腺癌の比率が高く増加傾向にある一方で,肺門部に発生する扁平上皮癌の減少傾向が顕著である.このことから,肺癌の術式としては肺全摘術,気管支形成術が減少し,肺葉切除,あるいはより早期の肺癌を対象とするsublobar resectionが増加することとなり,さらにこのことは,術後死亡率/合併症発生率の減少という結果を生んだ.その一方で,わが国の癌治療においては臨床腫瘍学,放射線腫瘍学の専門家が未だに不足しており,特に多モダリティ治療を施行する状況においては深刻な問題を生んでいる.これらはわが国における肺癌全体の診療を考えるうえで重要な課題といえる.
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