Japanese
English
症例報告
肺癌皮膚転移との鑑別を要した肺癌と皮膚有棘細胞癌の重複癌
Duplicate squamous cell carcinomas of the lung and skin with difficulty to differentiate from skin metastasis
森 志朋
1
,
大久保 絢香
1
,
石川 雄一
1
,
中川 倫代
1
,
齊藤 恵
1
,
赤坂 季代美
1
,
渡部 大輔
1
,
天野 博雄
1
,
赤坂 俊英
2
,
佐藤 俊樹
3
Shiho MORI
1
,
Ayaka OKUBO
1
,
Yuichi ISHIKAWA
1
,
Michiyo NAKAGAWA
1
,
Kei SAITOH
1
,
Kiyomi AKASAKA
1
,
Daisuke WATABE
1
,
Hiroo AMANO
1
,
Toshihide AKASAKA
2
,
Toshiki SATOH
3
1岩手医科大学皮膚科学講座
2北上済生会病院皮膚科
3さとう皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, Iwate Medical University, Morioka, Japan
2Division of Dermatology, Kitakami Saiseikai Hospital, Kitakami, Japan
3Satoh Skin Clinic, Morioka, Japan
キーワード:
肺癌
,
扁平上皮癌
,
指
,
重複癌
Keyword:
肺癌
,
扁平上皮癌
,
指
,
重複癌
pp.129-133
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205314
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要約 87歳,男性.2015年4月頃より右拇指に疣状皮疹が出現した.2016年4月に前医で液体窒素凍結療法を1回受けた.その後通院せず6月の再診時に潰瘍を有する腫瘤を形成していたため当科を紹介され受診した.病理組織像より有棘細胞癌と診断した.術前CT検査で右肺門部腫瘤と肺門部・縦隔に多発性リンパ節腫大を指摘された.ご本人に確認したところ2015年10月の市の健診で胸部X線検査の異常陰影を指摘され11月に近医で精査し右肺扁平上皮癌と診断されたが根治的手術は不可能で経過観察されていたことが判明した.肺と皮膚の病理組織像より自験例を肺癌と皮膚癌の重複癌と診断した.患指切断は行わず腫瘍切除術と植皮術を行い放射線療法も追加した.現在まで再発所見はない.高齢化が進み,今後,重複癌の症例は増加することが予想される.正確な診断のもと,治療は患者のQOL維持や向上を第一に考え選択すべきである.
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