カラーグラフ エキスパート愛用の手術器具,手術材料・17
肝全摘(肝移植)に愛用の手術器具・材料
嶋村 剛
1,2
,
鈴木 友己
1,2
,
谷口 雅彦
1,2
,
山下 健一郎
1,2
,
太田 稔
1,2
,
藤堂 省
1,2
Tsuyoshi SHIMAMURA
1,2
1北海道大学病院第1外科(臓器移植医療部)
2Hokkaido Organ Transplantation Study Group
pp.757-763
発行日 2010年6月20日
Published Date 2010/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103077
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はじめに
肝移植は原則的に病的肝の全摘と,同所性にグラフトを植え込むステップからなる.肝全摘のステップは,肝不全に起因する血液凝固障害,門脈圧亢進症や過去の開腹手術に由来する高度の癒着からしばしば難渋し,出血量や手術時間に大きく影響する.このため,肝移植黎明期から手術器具・材料には幾多の改良が加えられてきた.当院では,肝移植の中心的施設であるPittsburgh大学で採用されている器具・材料をそのまま移入し,同手術を実施している.肝全摘の方法は①脳死肝移植で頻用される,下大静脈を肝臓と一緒に摘出するconventional techniqueと,②生体肝移植ならびに脳死肝移植でも選択肢となる,下大静脈を温存して肝臓を摘出するpiggyback techniqueに大別されるが,いずれの場合も同じ手術器具・材料を用いている.
本稿では手術の各ステップにしたがい,われわれが用いている手術器具・材料の特徴ならびに使用上の注意点などについて述べる.
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