Japanese
English
特集 消化器外科における経腸栄養の意義と役割
膵頭十二指腸切除術におけるimmunonutrition
Immunonutrition after pancreaticoduodenectomy
古川 勝規
1
,
鈴木 大亮
1
,
木村 文夫
1
,
清水 宏明
1
,
吉留 博之
1
,
大塚 将之
1
,
加藤 厚
1
,
吉富 秀幸
1
,
竹内 男
1
,
高屋敷 吏
1
,
須田 浩介
1
,
高野 重紹
1
,
宮崎 勝
1
Katsunori FURUKAWA
1
1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
キーワード:
膵頭十二指腸切除術
,
immunonutrition
,
感染性合併症
,
細胞性免疫
Keyword:
膵頭十二指腸切除術
,
immunonutrition
,
感染性合併症
,
細胞性免疫
pp.1371-1376
発行日 2009年10月20日
Published Date 2009/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102720
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要旨:Immunonutritionの待機手術に対する効果は胃,大腸,食道手術などで示されているが,より病態が複雑な膵頭十二指腸切除例に対する効果の報告は欧米も含めて少なく,その効果の発現機序についての報告はほとんどない.現在,わが国においては膵頭十二指腸切除術の術後栄養管理は中心静脈栄養管理が主流で,欧米に比べ経腸栄養の導入は遅れているといわざるを得ない.われわれの膵頭十二指腸切除術に対するランダム化比較試験では,術前後のimmunonutritionはTPN管理に比べ,感染性合併症を減少させた.その効果発現の機序には侵襲反応の軽減と細胞性免疫能の低下を抑えることが関与していると考えられた.膵頭十二指腸切除術は侵襲度も高く,合併症も少なくないためimmunonutritionのよい適応であると考えられる.今後,わが国からの大規模臨床試験でさらなるエビデンスが示されることが期待される.
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