Japanese
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特集 消化器外科における経腸栄養の意義と役割
肝硬変に対する肝切除術におけるimmunonutrition
The clinical application of immunonutrition for patients with cirrhosis undergoing liver resection
土師 誠二
1
Seiji HAJI
1
1近畿大学医学部外科肝胆膵外科部門
キーワード:
immunonutrition
,
肝硬変
,
肝切除
Keyword:
immunonutrition
,
肝硬変
,
肝切除
pp.1365-1370
発行日 2009年10月20日
Published Date 2009/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102719
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要旨:免疫増強栄養法(immunonutrition)は,外科感染症に対する最も有望な栄養学的介入アプローチの1つである.待機外科手術患者に対しては術前の投与が最も優れているが,肝硬変を含めた肝切除105例を対象にしたわれわれのRCTにおいても,術前immunonutritionは良好なコンプライアンスとともに,術後早期にみられるヘルパーT細胞亜分画を始めとした免疫機能低下を軽減し,外科感染症の発生を抑制した.さらに肝組織中脂肪酸構成の検討から術前の必要最低総摂取量は50ml/kg以上と推測され,この量を超える免疫増強経腸栄養剤の摂取によりEPA/AA比を対照群に比べて有意に上昇させることが明らかとなった.待機手術例に対するこのような栄養学的アプローチは“immunological and metabolic preconditioning”という概念として捉えられ,preconditioningを行うための最適な栄養素,至適な組み合わせの確立のためにさらなる検討が望まれる.
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