特集 肛門疾患診療のすべて
10.術後後遺症
術後肛門狭窄の診断と治療
彦坂 興博
1
Okihiro HIKOSAKA
1
1医療法人彦坂医院
pp.265-270
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102342
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要旨 術後肛門狭窄は痔核手術後に多く,肛門上皮の過剰切除によるものが多い.この場合,狭窄はそれほど高度であることは少なく,保存的療法やブジーを術後早期から行えば軽快する.しかし狭窄が高度な場合は手術が必要となり,肛門後方で瘢痕切除して狭窄を解除し,切除部を上皮で被覆するSSG法が行われる.術式として確立されたSSG法であるが,長期経過でみると肛門縁に輪状瘢痕が生じ,これが術後愁訴のもとになったり,強度狭窄例では拡張効果も不十分なことがある.この問題を解決するために,複数箇所SSG法,Y-VまたはV-Y型肛門形成術などが行われて良好な結果となっている.
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