Japanese
English
特集 放置できない肛門部疾患の診断と治療
II. 各論
4.裂肛・肛門狭窄の診断と治療
Treatment of anal fissure and stenosis
梅枝 覚
1
,
中山 茂樹
1
,
木村 充志
1
,
山本 隆行
1
,
下山 貴寛
1
,
西川 隆太郎
1
,
肥満 智紀
1
,
鈴木 桜子
1
S. Umegae
1
,
S. Nakayama
1
,
A. Kimura
1
,
T. Yamamoto
1
,
T. Shimoyama
1
,
R. Nishikawa
1
,
T. Himan
1
,
S. Suzuki
1
1JCHO四日市羽津医療センター外科
キーワード:
裂肛
,
肛門狭窄
,
肛門括約筋緊張
,
見張り疣
Keyword:
裂肛
,
肛門狭窄
,
肛門括約筋緊張
,
見張り疣
pp.778-789
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_778
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裂肛は,肛門疾患の中では痔核,痔瘻に続くもっとも多い肛門疾患である.肛門痛と肛門出血をきたすよくみられる肛門疾患で,肛門の三大疾患と呼ばれている.裂肛は,肛門上皮に生じた亀裂,びらんであり,治療を行ううえで臨床像,形態学的所見,生理学的観察からその成因と病態を知ることがきわめて重要である.機械的な外傷に起因するものか,肛門括約筋の緊張によるものか,症候性によるものかの診断が必要になる.症候性の場合は基礎疾患の治療が第一である.裂肛治療は,まずは内科的・保存的治療が基本である.保存的治療が無効な場合に外科的治療の適応となる.外科的治療では,成因と病態に合った個々の症例に応じた選択が必要となる.裂肛の原因は体質的要因とライフスタイルに影響されるため,術後はしっかりとした生活習慣の指導を怠ってはならない.
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