Japanese
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特集 上部消化管内視鏡のトラブルシューティング
[各論]食道ESD
術後に狭窄をきたした―術後狭窄の予防と対処法について
Stricture after esophageal ESD
平澤 大
1
,
五十嵐 公洋
1
,
田中 一平
1
,
濱本 英剛
1
,
名和田 義高
1
,
松田 知己
1
Dai Hirasawa
1
,
Kimihiro Igarashi
1
,
Ippei Tanaka
1
,
Hidetaka Hamamoto
1
,
Yoshitaka Nawata
1
,
Tomoki Matsuda
1
1仙台厚生病院消化器内科
キーワード:
食道ESD
,
術後狭窄
,
狭窄予防
Keyword:
食道ESD
,
術後狭窄
,
狭窄予防
pp.180-183
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000622
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はじめに
食道ESDの偶発症には穿孔,出血,肺炎などがあるが,最も発生頻度が高いものは術後狭窄で,食道ESDの約5%で発生1, 2)する。術後狭窄のリスク因子は切除した粘膜の周在性で,管腔の3/4周在以上の粘膜欠損で約66~100%3)の食道狭窄をきたす。そのため2007年の食道癌診断・治療ガイドライン4)では,早期の食道扁平上皮癌であっても,内視鏡治療の適応は2/3周在以下となっていた。近年になって,ステロイド薬を切除後潰瘍に局注することで,肉芽形成や線維化を抑制し,術後狭窄の予防効果が示され5),2017年度の食道癌診療ガイドライン6)で狭窄予防を行うことを条件に亜全周性病変も内視鏡治療の適応となった。しかしながら,粘膜欠損長が長い症例や全周性の切除では高度かつ難治性の術後狭窄をきたしやすく,術後狭窄に対する対策は現在も課題となっている。具体的には「全周性の切除長径が50mmを超える病変」は,食道癌に対するESD/EMRガイドラインで内視鏡治療は推奨されていない7)。
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