特集 肛門疾患診療のすべて
1.直腸肛門の解剖
直腸肛門の解剖
寺本 龍生
1,2
Tatsuo TERAMOTO
1,2
1国際医療福祉大学
2順和会山王病院外科
pp.11-19
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102314
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要旨 直腸・肛門部は消化管の最下端にあり,糞便の保持と排泄という日常生活を正常に維持するために重要な機能を有する臓器である.肛門管は発生学的に外胚葉性の原始肛門と内胚葉性の原始直腸が癒合して形成された部位であり,筋肉は平滑筋である内肛門括約筋と横紋筋である外肛門括約筋の二重構造である.上皮は,肛門管上部は腸管の単層円柱上皮,下部は重層扁平上皮,その境界の歯状線部は移行部で両者の上皮が混在している.同様に,平滑筋は自律神経が,横紋筋は体性神経により支配されており,これらの解剖学的構造の協調作用によって肛門機能は微妙に維持されている.したがって,各種肛門疾患に対しては,これらの特性を把握して的確な治療法が選択されねばならない.
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