特集 肛門疾患診療のすべて
2.肛門直腸の生理
肛門直腸の生理
丸山 聡
1
,
谷 達夫
1
,
飯合 恒夫
1
,
畠山 勝義
1
Satoshi MARUYAMA
1
1新潟大学医歯学総合病院消化器・一般外科
pp.23-28
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102315
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要旨 排便は多岐にわたる機能の協調作用によってなされる.そのなかで最も重要なのは排便反射であり,通常,直腸が糞便によって伸展し刺激を受けると,直腸収縮反射と内肛門括約筋弛緩反射が起こる.これには壁内神経系を介した内反射と骨盤神経や結腸神経を介した脊髄反射がある.また,この排便反射に加えて意識的排便動作として陰部神経を介した外肛門括約筋弛緩や,間脳や大脳など高次中枢の排便制御による横隔膜や腹筋の収縮,声門閉鎖,吸息位での呼吸停止,さらには息みが排便を促進する.これらの排便のメカニズムや大腸の運動,吸収,分泌などの生理機構を熟知することは直腸肛門疾患を診療するために必要不可欠である.
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