Japanese
English
特集 鼠径ヘルニアの治療NOW―乳幼児から成人まで
〔成人鼠径ヘルニアの診療〕
術後合併症とその予防法
Postherniorrhaphy complications and how to avoid it
佐藤 康
1
,
中嶋 昭
1
,
川村 徹
1
,
松永 浩子
1
,
大石 陽子
1
Yasushi SATO
1
1日産厚生会玉川病院外科
キーワード:
鼠径ヘルニア
,
術後合併症
,
メッシュ
,
術後神経痛
,
漿液腫
Keyword:
鼠径ヘルニア
,
術後合併症
,
メッシュ
,
術後神経痛
,
漿液腫
pp.1373-1377
発行日 2008年10月20日
Published Date 2008/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102288
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要旨:成人鼠径ヘルニアの治療はメッシュを用いたテンションフリー法が標準となっている.従来法と比較して再発率の低さ,術後愁訴の少なさなど優位な点が多い.しかし,従来法にはない合併症や術後愁訴があることも分かってきた.術後神経痛については鼠径部の解剖に精通し,3本の神経(腸骨下腹神経,腸骨鼠径神経,陰部大腿神経陰部枝)を認識し,メッシュ固定時に神経の巻き込みに気をつけることやメッシュのめくれを起こさないようにすることが重要である.漿液腫は自然消退するので経過観察でよい.感染予防には十分に注意を払う.遅発性感染は難治性であることが多く,メッシュの除去,従来法での修復を行う.デバイスの特性を知り,手術を行うことが重要である.
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