発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008098645
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2006年2月からProlene Soft(Ethicon社)を用いたLichtenstein法で鼠径ヘルニア修復術を行い、他の修復法に劣らない成績とQOLを得たので、メッシュ素材について検証し、現時点でのメッシュを用いた治療法のエビデンスについて述べた。Prolene Softはlight weight meshに分類され、薄くて非常に柔らかく、ほぐれずらい編み方がなされていた。男性の片側鼠径ヘルニア20例(平均年齢60歳)にこのProlene Softを使用した結果、術後経過は良好であり、日常生活への復帰は平均3日であった。術後1週間では5例に軽度の違和感、疼痛があったが、1ヵ月後には全例で愁訴は消失し、患者満足度も高かった。合併症としては1例にseromaが生じたが、migration、感染はなかった。術後6ヵ月までの短期経過観察ではあるが再発例はなく、印象として他の修復法よりも術後の疼痛は軽度であり、違和感も少なかったと思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007