Japanese
English
特集 膵臓外科の新たな展開
門脈浸潤膵癌の手術適応と治療成績
Surgical indication and results for pancreas cancer involving the portal vein
宮崎 勝
1
,
木村 文夫
1
,
清水 宏明
1
,
吉留 博之
1
,
大塚 将之
1
,
加藤 厚
1
,
野沢 聡志
1
,
古川 勝規
1
,
吉富 秀幸
1
,
三橋 登
1
,
竹内 男
1
,
須田 浩介
1
,
高屋敷 吏
1
,
高野 重紹
1
Masaru MIYAZAKI
1
1千葉大学大学院臓器制御外科
キーワード:
膵癌
,
門脈切除
,
門脈浸潤
,
外科切除
Keyword:
膵癌
,
門脈切除
,
門脈浸潤
,
外科切除
pp.1683-1689
発行日 2007年12月20日
Published Date 2007/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101968
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要旨:浸潤性膵管癌の門脈浸潤例に対する外科切除の適応については,近年その外科切除および血行再建手技の確立によって安全性が確立されてきたことを踏まえて治療成績に向上がみられてきている.そのため,必ずしも非切除とすべきでないといった報告も多くみられるようになってきている.もちろん,門脈浸潤をきたした症例すべてが切除適応になるわけではなく,どのような症例が積極的な門脈合併切除再建にて予後の改善が期待できるのかを明らかにする必要がある.われわれの施設におけるT3,M0ステージの膵頭部癌の外科切除例99例において,門脈切除51例と門脈非切除48例の成績を比較検討した.門脈合併切除は術後合併症の増加をきたすことなく安全に施行でき,予後向上に寄与し得ることが示唆された.ただし,根治切除が期待できる症例においてその適応とするのが望ましく,かつ術後adjuvant chemotherapyの投与がその有効性を確保し得るものとなるといえる.
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