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特集 膵臓外科の新たな展開
膵癌の手術適応の変遷
Historical review of criteria defining surgical resection for pancreatic cancer
杉本 博行
1
,
中尾 昭公
1
Hiroyuki SUGIMOTO
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
キーワード:
膵癌
,
膵頭十二指腸切除術
,
拡大手術
,
ガイドライン
Keyword:
膵癌
,
膵頭十二指腸切除術
,
拡大手術
,
ガイドライン
pp.1677-1682
発行日 2007年12月20日
Published Date 2007/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101967
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要旨:膵癌は難治性の癌で,外科切除のみが唯一長期生存が期待できる治療法とされてきた.1898年にCodivillaが施行した手術が今日の膵頭十二指腸切除術(以下,PD)の原型とされており,膵頭部癌に対する最初のPDは1937年にBrunschwigにより行われた.その後,膵頭部癌に対する術式として確立したが切除成績は不良であり,切除術そのものを否定する報告もみられた.1973年にFortnerがregional pancreatectomyを報告し,拡大手術による根治性追求の時代へと変遷した.これらの術式の確立により膵癌切除率は向上したが成績は依然不良であり,20世紀末にはQOLを重視した術式へと変遷した.近年では画像診断の進歩や有効な化学療法の開発に伴い,過不足なく安全な切除を行ってすみやかに補助療法を開始することが重要とされ,外科切除は長期生存を得るための唯一の治療法ではなく,集学的治療の中心として重要な位置を占めている.
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