Japanese
English
特集 膵臓外科の新たな展開
動脈浸潤膵癌の手術適応と治療成績
Indication and operative outcome of distal pancreatectomy with en bloc celiac axis resection for locally advanced pancreatic body cancer
佐川 憲明
1
,
近藤 哲
1
,
平野 聡
1
,
市村 龍之介
1
,
橋田 秀明
1
,
鈴置 真人
1
,
鈴木 温
1
,
七戸 俊明
1
,
田中 栄一
1
Noriaki SAGAWA
1
1北海道大学大学院医学研究科腫瘍外科学分野
キーワード:
膵癌
,
膵体尾部切除
,
腹腔動脈合併切除
,
肝動脈塞栓
Keyword:
膵癌
,
膵体尾部切除
,
腹腔動脈合併切除
,
肝動脈塞栓
pp.1691-1696
発行日 2007年12月20日
Published Date 2007/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101969
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要旨:局所進行膵癌は早期から動脈周囲神経叢に浸潤し,非切除とされることがある.膵体尾部癌においては総肝動脈,腹腔動脈浸潤があっても腹腔動脈合併切除,尾側膵切除で切除可能な症例がある.術前にIVRの手技で総肝動脈塞栓術を行い,上腸間膜動脈から肝臓への血流に変更し,肝虚血による臓器障害を予防している.自験例の手術成績からは,根治切除率,安全性の高い手術が可能であった.難治性癌性疼痛も完全に取り除くことができ,QOLも満足な状態に維持されている.長期成績に関して,Stage Ⅳbの症例に対しては予後不良であるが,stage Ⅲ症例に対しては良好な成績が得られている.今後,動脈浸潤がない症例に適応を拡大し,長期成績を明らかにしていく必要があると考えている.
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