Japanese
English
特集 肝胆膵術後合併症―その予防のために
閉塞性黄疸の減黄処置(限局性胆管炎を含む)
Preoperative biliary drainage for obstructive jaundice
平野 聡
1
,
近藤 哲
1
,
狭間 一明
1
,
岡村 圭祐
1
,
鈴木 温
1
,
七戸 俊明
1
,
田中 栄一
1
Satoshi HIRANO
1
1北海道大学大学院医学研究科腫瘍外科学
キーワード:
閉塞性黄疸
,
減黄処置
,
経皮経肝胆管ドレナージ
,
内視鏡的逆行性胆管ドレナージ
Keyword:
閉塞性黄疸
,
減黄処置
,
経皮経肝胆管ドレナージ
,
内視鏡的逆行性胆管ドレナージ
pp.789-792
発行日 2007年6月20日
Published Date 2007/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101689
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要旨:バイパス術などの低侵襲手術や膵頭十二指腸切除術においては胆管炎などの特別な合併症を有しない場合,術前の減黄は不要であると報告されている.肝門部胆管癌など肝切除術を行う症例では,十分な減黄と切除側の術前門脈塞栓術よる温存肝機能の確保によってようやく良好な手術成績が得られるようになった現状を考えると,現時点で術前減黄は全例に行われるべきであると思われる.肝門部胆管閉塞による黄疸に対しては温存予定肝の片葉ドレナージを確実に行い,必要時にのみ切除肝のドレナージを追加する.教室ではドレナージ法として内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD)を第一選択としており,ドレナージ前に管腔内超音波検査(IDUS)を行い,必要に応じて経乳頭的biopsyや経口胆道鏡(POCS)を追加して施行している.ただし,経乳頭的にドレナージを行っている場合は限局性胆管炎の発症に十分留意し,発症時にはすみやかに追加ドレナージができる態勢を整えておく必要がある.
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