Japanese
English
特集 肝胆膵術後合併症―その予防のために
胆道癌周術期の胆汁返還
Perioperative bile replacement in biliary cancer surgery
菅原 元
1
,
梛野 正人
1
,
神谷 諭
1
,
小田 高司
1
,
西尾 秀樹
1
,
江畑 智希
1
,
横山 幸浩
1
,
安部 哲也
1
,
伊神 剛
1
,
二村 雄次
1
Gen SUGAWARA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍外科学
キーワード:
胆道癌
,
閉塞性黄疸
,
胆汁返還
,
腸管バリアー機能
,
bacterial translocation
Keyword:
胆道癌
,
閉塞性黄疸
,
胆汁返還
,
腸管バリアー機能
,
bacterial translocation
pp.793-797
発行日 2007年6月20日
Published Date 2007/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101690
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要旨:教室では,胆道癌術前・術後に外瘻となっている胆汁を腸管内に返還することを,術後感染性合併症対策の一環としている.胆汁返還の意義として,(1)電解質や水分バランスの保持,(2)肝再生の促進,(3)腸管バリアー機能の改善作用,の3つが重要であると考えている.胆道癌術前には,percutaneous transhepatic biliary drainage(PTBD)カテーテルより排出される胆汁を全量内服してもらい,術後は再建胆管を通して外瘻にした胆汁を全量経腸栄養カテーテルより返還している.胆汁返還により胆汁中リン脂質値が上昇し,腸管バリアー機能の改善につながると考えられた.胆道癌術前・術後には,外瘻胆汁を腸管内へ返還すべきである.
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