Japanese
English
特集 肝胆膵術後合併症―その予防のために
肝実質温存肝切除
Parenchyma-preserving hepatectomy for hepatobiliary carcinoma
清水 宏明
1
,
木村 文夫
1
,
吉留 博之
1
,
大塚 將之
1
,
加藤 厚
1
,
吉富 秀幸
1
,
古川 勝規
1
,
野沢 聡志
1
,
三橋 登
1
,
竹内 男
1
,
須田 浩介
1
,
吉岡 伊作
1
,
宮崎 勝
1
Hiroaki SHIMIZU
1
1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
キーワード:
実質温存肝切除
,
肝門部胆管癌
,
肝細胞癌
,
肝機能障害
,
黄疸
Keyword:
実質温存肝切除
,
肝門部胆管癌
,
肝細胞癌
,
肝機能障害
,
黄疸
pp.775-782
発行日 2007年6月20日
Published Date 2007/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101687
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要旨:近年の肝切除手技の向上,周術期管理の進歩などにより,肝胆道悪性疾患に対する手術適応の拡大,および拡大手術の導入がなされてきているが,その一方で術後合併症発生率の問題などいまだ解決すべき問題も残されている.術後合併症,特に術後肝不全の発生は肝予備能・切除肝容量に依存することは明らかであり,その対策として,最近では予定残肝の再生・肥大をはかる選択的門脈枝塞栓術が広く用いられている.一方で,治癒切除が得られる最小限の肝切除にとどめ,可及的に肝実質を温存する肝切除術(parenchyma preserving hepatectomy)も術後肝不全の回避には有用なstrategyの1つとされる.本稿では,肝門部に癌腫が限局し,脈管浸潤を認めない肝門部胆管癌症例,特にハイリスク患者(肝機能不良,合併症をもつ高齢者,肝膵同時切除例)に対して適応とする肝実質温存肝切除術(S1,S1+S4切除),さらには,肝細胞癌が尾状葉paracaval-portionなど肝背側深部に位置し,肝実質切除量が制限されるような肝機能低下症例に対してのtranshepatic anterior approachによる肝切除について概説する.
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