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特集 肝胆膵術後合併症―その予防のために
門脈枝塞栓術
Preoperative portal vein embolization
石崎 陽一
1
,
川崎 誠治
1
Yoichi ISHIZAKI
1
1順天堂大学医学部肝胆膵外科
キーワード:
術前門脈枝塞栓術
,
拡大肝葉切除
,
肝不全
,
残肝機能
Keyword:
術前門脈枝塞栓術
,
拡大肝葉切除
,
肝不全
,
残肝機能
pp.769-774
発行日 2007年6月20日
Published Date 2007/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101686
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要旨:近年,肝切除の安全性が確立され,大腸癌多発性肝転移,肝門部胆管癌,肝細胞癌などに対して積極的に拡大肝切除をする傾向にある.しかしながら,根治性のために大量肝切除が必要となる症例では術後の肝不全が危惧される.肝が正常と考えられる症例で,術前の残肝容積が全肝容積の40%以下と予想される場合には術前門脈枝塞栓術を施行する.これにより塞栓葉は萎縮し,非塞栓葉である予定残肝の代償性肥大が期待され,拡大手術後の肝不全のリスクを軽減することができる.門脈枝塞栓術は手技に伴う合併症も少なく,門脈枝塞栓術後に切除可能となった症例の生存率は門脈枝塞栓術非施行の切除例の生存率と変わらず,今日では大量肝切除が必要と考えられる症例では必須の手技となった.
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