Japanese
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特集 良性腸疾患における腹腔鏡下手術の適応と限界
大腸憩室炎に対する腹腔鏡下手術―その適応と限界
Laparoscopic colectomy for diverticular disease of the colon: indication and limitation
田中 慶太朗
1
,
奥田 準二
1
,
山本 哲久
1
,
近藤 圭策
1
,
谷川 允彦
1
Tanaka Keitaro
1
1大阪医科大学一般・消化器外科
キーワード:
大腸憩室炎
,
腹腔鏡下手術
,
Hinchey分類
,
内側アプローチ
Keyword:
大腸憩室炎
,
腹腔鏡下手術
,
Hinchey分類
,
内側アプローチ
pp.25-34
発行日 2007年1月20日
Published Date 2007/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101150
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要旨:大腸憩室炎に対する腹腔鏡下手術の適応は,再燃を繰り返す憩室炎や憩室炎に続発した狭窄,限局した膿瘍などの合併症を伴うものとしているが,症例ごとに慎重に対応している.大腸憩室炎に対する手術では炎症によって正しい剝離層の同定が困難となるため注意が必要である.特に腹腔鏡下手術では的確なランドマークを指標として確実に尿管・精巣/卵巣動静脈を温存した剝離操作がポイントとなる.われわれは右側結腸では十二指腸水平部を,左側結腸では上直腸動静脈をランドマークとして,腸間膜側から剝離を開始する内側アプローチを用いている.内側アプローチには,特に炎症が外側腹膜に及ぶような高度の大腸憩室炎に対して,炎症のある腸管を授動する前に尿管・精巣/卵巣動静脈の確認と温存が安全に行える利点がある.腹腔鏡下の解剖を十分に理解して内側アプローチを適切に用いることによって,高度な大腸憩室炎に対しても安全に腹腔鏡下手術を施行できる.
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