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特集 良性腸疾患における腹腔鏡下手術の適応と限界
クローン病に対する腹腔鏡下手術の適応と限界
Indications and limits of laparoscopic surgery for Crohn's disease
石井 良幸
1
,
長谷川 博俊
1
,
西堀 英樹
1
,
遠藤 高志
1
,
北島 政樹
1
Ishii Yoshiyuki
1
1慶応義塾大学医学部外科
キーワード:
良性腸疾患
,
クローン病
,
腹腔鏡下手術
,
適応
Keyword:
良性腸疾患
,
クローン病
,
腹腔鏡下手術
,
適応
pp.19-24
発行日 2007年1月20日
Published Date 2007/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101149
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要旨:クローン病は比較的若年者に発症する慢性炎症性腸疾患で,しばしば再燃し手術が複数回に及ぶこともある.このため,創が小さく,腸蠕動の回復が早く癒着の少ない腹腔鏡下手術はクローン病のよい適応と考えられる.手術に際しては,術前に炎症を十分に寛解させておくことが重要であり,これによって安全に施行することが可能となる.腹腔鏡下手術のクローン病への導入は狭窄に対する手術に始まり,瘻孔や膿瘍を形成する穿孔型にも適応が拡大されて良好な成績が得られるようになった.また,再手術例にも安全に施行することが可能であることから,現在,当科では待機手術が可能な症例であれば全例を腹腔鏡下手術の適応としている.しかし,強固な癒着や複雑瘻孔を合併するような症例では開腹移行率が高く,現在の適応の限界と考えられる.
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