Japanese
English
特集 急性腹症における低侵襲な治療法選択
穿孔性十二指腸潰瘍に対する保存的治療の適応と限界
Indication and limitation of non-operative management for perforated duodenal ulcer
大森 浩明
1
,
佐々木 章
1
,
池田 健一郎
1
,
川村 英伸
1
,
肥田 圭介
1
,
柏葉 匡寛
1
,
若林 剛
1
Hiroaki OMORI
1
1岩手医科大学外科学第一講座
キーワード:
穿孔性十二指腸潰瘍
,
保存的治療
,
緊急内視鏡検査
Keyword:
穿孔性十二指腸潰瘍
,
保存的治療
,
緊急内視鏡検査
pp.1045-1050
発行日 2006年8月20日
Published Date 2006/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100948
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要旨:穿孔性十二指腸潰瘍(PDU)における保存的治療とは,絶食に加え補液,抗生物質,酸分泌抑制剤の投与を行うものである.保存的治療の選択には診断の確立は必須であり,緊急内視鏡検査の実施が望まれる.最初に十二指腸を観察し送気を可能な限り制限する.PDUの正診率はほぼ100%である.保存的治療の最適な適応は10~50歳代の症例である.臨床経過は,腹部所見,超音波検査による腹水量,血清アミラーゼ値,体温を経時的に観察し,1~2日後に保存的治療の可否を判断する.高齢者や腹水量が増加する症例では手術が必要である.血清IL-6値の推移から保存的治療の適応を考えると,腹水を認めない,高齢者を除いた症例に選択すれば,ほぼ確立した治療法として推奨される.
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