Japanese
English
臨床報告・1
外来経過観察中に腫瘍の増大を認めたため切除を行い,2年間無再発の膵原発カルチノイド腫瘍の1例
A case of pancreatic carcinoid tumor,showing size up during ablation,with no recurrence of two years
藤本 大裕
1
,
田口 誠一
1
,
木下 敬弘
1
,
太田 信次
1
,
足立 巌
1
,
飯田 茂穂
1
,
原田 憲一
2
Daisuke FUJIMOTO
1
1市立敦賀病院外科
2金沢大学医学部形態機能病理学教室
キーワード:
カルチノイド腫瘍
,
膵臓
,
早期診断
Keyword:
カルチノイド腫瘍
,
膵臓
,
早期診断
pp.705-708
発行日 2006年5月20日
Published Date 2006/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100457
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はじめに
カルチノイド腫瘍は神経内分泌腫瘍の分類において最も頻度の高い腫瘍であるが,膵原発のカルチノイド腫瘍は非常に稀であり,その頻度は11,343例中156例(1.4%)である1).膵カルチノイドにおいてカルチノイド症候群が認められるのは23.3%で,そのほかの症状は腹痛(40.4%),下痢(30.8%),腹部腫瘤(21.9%),肝腫大(15.1%)などである1).典型的な症状が現れることは稀で,膵カルチノイドは診断時において76%に遠隔転移が認められ,5年生存率は28.9%である1,2).早期診断の難しさが予後に悪影響していると考えられる.
われわれは膵原発のカルチノイド腫瘍を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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