発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013255231
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症例は71歳男性で、上腹部不快感が出現し当院紹介受診となった。入院時、血液検査、生化学検査、CEA、CA19-9に異常はなかったが、上部消化管内視鏡で十二指腸下行脚内側に隆起性病変を認め、生検で腫瘍巣を認め、chromogranin Aに陽性であり、カルチノイドと診断した。また上部消化管造影で十二指腸下行脚内側前壁寄りに欠損像を認め、粘膜下腫瘍と考えられた。腹部造影CTで十二指腸second portionの乳頭近傍に原発巣と考えられる部位を認め、十二指腸乳頭近傍カルチノイドと診断し、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。病理組織学的に腫瘍細胞は蜂巣状、ロゼット状、リボン状の配列を示し、核は比較的均一な類円形で、腫瘍は粘膜表面に露頭し、固有筋層、膵頭部に浸潤が認められた。術後経過は順調で再発徴候もない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013