発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006320928
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32歳男.下痢に引き続いて新鮮血下血がみられ,即日入院となった.造影CT検査では回盲部に35mm大のほぼ均一に強く造影される腫瘤を認め,周囲に腫大したリンパ節もみられた.注腸X線検査では回盲部に35mm大の粘膜下腫瘍様病変が描出された.大腸内視鏡検査では回盲弁下唇に巨大な粘膜下腫瘍を認めた.表面粘膜のピソト構造は類円形で,粘膜面に異常は認めなかった.回腸側への挿入は不可能であった.入院後,下痢や下血などの症状は改善した.リンパ節転移および肝転移を伴う回盲部原発カルチノイドと診断し,結腸右半切除および肝拡大左葉切除を行った.切除標本の病理組織所見では,典型的なカルチノイドであった
©Nankodo Co., Ltd., 2006