Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
一絨毛膜性双胎では,1児が死亡すると,死亡胎児や胎盤からの塞栓物質やトロンボプラスチン様物質を多量に含む血液が生存胎児に流入し,中枢神経をはじめとする全身の諸臓器に虚血性障害をきたすことがあり,このような病態はtwin embolization syndrome(TES)と呼ばれている。ここで報告した症例は双胎の1児で,在胎18週のエコー検査で他児の死亡と患児脳の形態異常が確認された。出生後のMRIでは両側大脳半球に対称性に脳実質の欠損(孔脳)があり,これはTESにより左右の中大脳動脈末梢枝が閉塞した結果であると考えた。出生後,精神運動発達遅延があり,生後90日目頃よりWest症候群を起こした。頭囲拡大が進行するため,生後6カ月で孔脳-腹腔短絡術を行い,頭囲拡大はコントロールできたが,てんかん発作に変化はなかった。本症例のてんかんは孔脳の局在部位に関連した部分てんかんではなく全般てんかんであり,これはTESによる障害が脳全体に及んでいることを示唆するものである。
Twin embolization syndrome (TES) is a complica-tion of monozygotic twining following in utero demise of the co-twin. Passage of thromboplastic materials into the circulation of the surviving fetus results in ischemic structural defects of various systemic organs including the central nervous system (CNS). In ourcase of monozygotic twining prenatal sonography at the 18th week of gestation revealed intracranial abnor-mality and demise of the co-twin.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.