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Focal cortical dysplasia(FCD)は近年のMRIを中心とした画像診断の進歩によりその診断が容易となり,てんかん原性の高い病変として注目されている。側頭葉外側皮質に術前のMRIで明らかでないFCD(いわゆるoccult FCD)がみられた内側側頭葉てんかん(medial temporal lobe epilepsy;MTLE)の1手術例を報告した。熱性けいれんの既往のない29歳男性で,14歳より複雑部分発作を起こすようになり,次第に難治化した。MRIでは側頭葉に明らかな形態異常はみられなかったが,臨床発作型,発作間欠時および発作時脳波所見,脳血流SPECTや糖代謝PKT所見がすべて左MTLEに矛盾しなかったので,慢性硬膜下電極記録などの侵襲的検査を省略して手術を行った。術中の皮質電位(electrocorticography;ECoG)記録では下側頭回の前部に棘波が頻発しており,同部を含めて前側頭葉および海馬切除を行った。組織学的には切除した海馬CA1領域の錐体細胞の脱落はわずかであったが,下側頭回には直径約0.8mmの範囲でFCDがみられた。MTLEに対して侵襲的検査を省略して手術を行う際には,特に術中ECoG記録は重要である。
A 29-year-old male with medial temporal lobe epi-lepsy (MTLE) was revealed to have "occult" focal cor-tical dysplasia (FCD) in the lateral temporal neocortex.He had no history of febrile convulsion and developed complex partial seizure at the age of 14 year, which became intractable.
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