Japanese
English
総説
アルツハイマー病とアポリポタンパクE
Alzheimer's Disease and Apolipoprotein E
山口 晴保
1
Haruyasu Yamaguchi
1
1群馬大学医学部保健学科
1Gunma University School or Health Sciences
キーワード:
Alzheimer's disease
,
dementia
,
apoE
,
amyloid-beta
Keyword:
Alzheimer's disease
,
dementia
,
apoE
,
amyloid-beta
pp.981-990
発行日 1996年11月1日
Published Date 1996/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901021
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はじめに
1991年,Nambaら35)によって老人斑アミロイドにアポリポタンパクE(ApoE)が存在することが報告され,1993年,このApoEの遺伝子型がアルツハイマー病(本稿では老年痴呆も含めた広義の意として用いる)の発症に大きな影響を与えることがRosesら8,53,61)によって発表された。その後の追試によりApoEε4型の遺伝子を持つことがアルツハイマー病の危険因子であることが確立された。すなわち,ε4遺伝子は,これを持つと必ずアルツハイマー病を発症するというような原因遺伝子ではなく,アルツハイマー病の発症を早めるように修飾するという意味で「危険因子(susceptibility factor)」と考えられている。
本稿では,ApoEの構造と機能を解説し,アルツハイマー病発症にどのようにして影響を与えるのか最近の考えを紹介する。
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