Japanese
English
特集 認知症診療の新潮流—近未来の認知症診療に向けて
血液検査によるアルツハイマー病診断の可能性
The probability to establish diagnostic system with newly developed blood tests
徳田 隆彦
1
,
建部 陽嗣
1
Takahiko Tokuda
1
,
Harutsugu Tatebe
1
1国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構量子医科学研究所脳機能イメージング研究部
1Department of Functional Brain Imaging, Institute for Quantum Medical Science, National Institutes for Quantum Science and Technology(QST), Chiba, Japan
キーワード:
認知症
,
dementia
,
アルツハイマー病
,
Alzheimer's disease
,
血液バイオマーカー
,
blood-based biomarkers
,
ATNバイオマーカー分類
,
ATN biomarker system
Keyword:
認知症
,
dementia
,
アルツハイマー病
,
Alzheimer's disease
,
血液バイオマーカー
,
blood-based biomarkers
,
ATNバイオマーカー分類
,
ATN biomarker system
pp.867-875
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206675
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抄録 アルツハイマー病(AD)の客観的な診断および脳病理のみが存在して認知症がいまだ発症していないプレクリニカル期の診断には,バイオマーカー(BM),特に画像BMと体液BMが不可欠である。また,認知症疾患に対する画像BMと体液BMは,合理的に考えれば,単独で用いるべきものではなく,それぞれの長所と短所を補完して統合した多項目BMシステムの確立が必要である。また,画像BMと相互補完的な体液BMとしては血液BMが求められているが,従来は脳脊髄液でしか定量できなかったADの体液BMが,最近は血液中でも正確に定量できるようになってきている。さらに,現在のADに対するBMシステムであるATNシステムは,従来のADのコアBMを基本にしていたが,今後は,多種多様な認知症性疾患の脳病理をより包括的に診断・層別化ができる次世代のBMシステムが求められている。
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