Japanese
English
総説
失行の神経機構
Neural Mechanisms of Apraxia
山鳥 重
1
Atsushi Yamadori
1
1東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻高次機能障害学
1Section of Neuropsychology, Division of Disability Science, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
apraxia
,
ideational apraxia
,
ideomotor apraxia
,
limbkinetic apraxia
,
diagonistic apraxia
Keyword:
apraxia
,
ideational apraxia
,
ideomotor apraxia
,
limbkinetic apraxia
,
diagonistic apraxia
pp.991-998
発行日 1996年11月1日
Published Date 1996/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901022
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I.具体的定義の必要性
失行は「Unfaehigkeit zu zweckgemaesser Bewe—gung der Glieder bei erhaltner Beweglichkeit」(運動性は保存されているのに目的に合わせて肢節を動かすことができない状態)Liepmann(1905)」と定義される症候である。
Liepmann以来,この定義は広く受け入れられ,この定義に沿って多くの研究が積み上げられてきたが,失行の亜型の問題になると,一人の臨床家が失行と呼ぶ症状が,別の臨床家は必ずしも失行と考えない,という厄介な問題が消えない。たとえば,構成失行である。構成失行が「失行」かどうか,については構成失行の最初の報告以来議論が絶えず,構成「障害」という呼び方をする臨床家も多い。たとえば着衣失行である。やはり「失行」かどうか,という議論がある。着衣「障害」と呼ぶべきであると。構音「失行」にも類似の議論が存在する。
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