Japanese
English
不随意運動アトラス6
模倣連合運動
Syncinésies d'imitation
岩田 誠
1
Makoto Iwata
1
1東京大学神経内科
1Department of Neurology, Institute of Brain Research, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.860-864
発行日 1976年9月1日
Published Date 1976/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203934
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片麻痺患者における連合運動(syncinésies)の1つとして,MarieとFoix1)は麻痺側の体肢の随意運動を行う時,健側の体肢がこれと対称的な運動を不随意に模倣する現象に注目し,これを模倣連合運動(syncinésiesd'imitation)と名づけた。
次いでClovis Vincentら2)は,右不全片麻痺と右半身知覚脱失を呈する左側視床病変の患者において,右上肢または下肢の随意運動が,同側の下肢または上肢において不随意に模倣されることを見出し,これを同側性模倣連合運動(syncinésies imitatives homolatérales)または,単に同側性連合運動(syncinésies homolatérales)と呼んだ。彼らは,この現象が高度の知覚障害に伴って出現したことを指摘し,先にMarieとFoixの述べた対側性模倣連合運動とは異った病態であろうと考えた。このVincentらの発表を聞いたBarré3)は,直ちに自らの患者を検索し,2例の視床病変を有する患者で,同様の同側性模倣連合運動を見出し,両例とも高度の知覚障害を伴っていたことから,深部知覚障害とこの型の連合運動の関係につき論じた。
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