Japanese
English
特集 生体模倣システム(MPS)の発展と創薬応用
小腸上皮細胞を用いた生体模倣システム
Microphysiological system using small intestinal epithelial cells
梅澤 明弘
1
,
守永 健一
1
,
陳 俊龍
1
Akihiro UMEZAWA
1
,
Kenichi MORINAGA
1
,
Junlong CHEN
1
1国立成育医療研究センター研究所
キーワード:
生体模倣システム(MPS)
,
organ on a chip
,
body on a chip
,
腸管チップ(intestine on chip)
,
gut on a chip
,
オルガノイド
,
自己組織化
Keyword:
生体模倣システム(MPS)
,
organ on a chip
,
body on a chip
,
腸管チップ(intestine on chip)
,
gut on a chip
,
オルガノイド
,
自己組織化
pp.813-816
発行日 2023年5月27日
Published Date 2023/5/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28509813
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生体模倣システム(MPS)とは,人間の生体内環境に近い環境を再現し,薬剤の効果や毒性を予測するシステムであり,従来の細胞培養や動物実験に比べ,正確で効率的な薬剤開発が期待できる.MPSにおいて人間の小腸上皮細胞は,薬剤の吸収や代謝に重要な役割を果たす細胞である.小腸上皮細胞は試験管内でも増殖させることができ,正確な薬剤評価が可能となり,薬剤開発の効率化が期待される.また患者個人の細胞を用いて,個別化された治療法の開発にも応用できる可能性がある.患者個人の細胞を用いることで,薬剤の効果や毒性をより正確に評価し,より適切な治療法の開発が可能となる.疾患モデルや薬剤の前臨床評価には,ラットやマウスといった小型哺乳類動物モデルが利用される.ラットやマウスは繁殖周期が短く,飼育や操作が容易であり,ヒトとゲノムや生理学的な特性を有する.解毒経路,発生および病理組織学的特徴はヒトと類似し,希少疾患研究,感染症研究,癌研究,および毒性学研究といったヒト疾患モデルおよび薬剤代謝モデルとして使用される.しかし,薬剤の前臨床評価において,マウスやラットモデルの使用に関して細胞モデルに代替できるところを代替しようとする動きが活発になっている.
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