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特集 生体模倣システム(MPS)の発展と創薬応用
生体模倣システムを利用した薬物動態学研究
Application of microphysiological system to the ADME research
楠原 洋之
1
,
石田 誠一
2
Hiroyuki KUSUHARA
1
,
Seiichi ISHIDA
2
1東京大学大学院薬学系研究科
2崇城大学大学院工学研究科応用生命科学専攻
キーワード:
薬物動態
,
細胞透過性
,
薬物代謝
,
吸収上皮細胞
,
in vitro-in vivo translation
Keyword:
薬物動態
,
細胞透過性
,
薬物代謝
,
吸収上皮細胞
,
in vitro-in vivo translation
pp.793-797
発行日 2023年5月27日
Published Date 2023/5/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28509793
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生体模倣システム(MPS)は,臓器環境に近づけた環境下で細胞を培養することで臓器機能を模倣したin vitroモデルとして,医薬品開発をはじめとした種々の領域への適用で期待されている.MPSを実現するためさまざまなデバイスが国内外で開発され,すでに市販されているものもある.薬物動態において重要な臓器である肝臓や腎臓,消化管などをin vitroで再現するため,iPS由来細胞やヒト臓器由来細胞がデバイスに搭載され,管状構造や絨毛様構造の形成,各臓器における代表的な薬物代謝や薬物輸送の機能を維持していることが確認されている.一方で,デバイスの基材や構造により細胞接着や維持するための条件探索,収着による薬物の実効濃度の低下,微小流路における薬物速度論など,MPS特有の課題もある.デバイス,細胞などMPSに関連した技術開発も急速に進んでおり,新薬の薬物動態特性や安全性情報を取得するための不可欠の実験系へと成長するものと期待される.
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