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特集 生体模倣システム(MPS)の発展と創薬応用
小腸と肝臓の生体模倣システム
Microphysiological system of small intestine and liver
松永 民秀
1
Tamihide MATSUNAGA
1
1名古屋市立大学大学院薬学研究科臨床薬学分野・薬学部臨床薬学教育研究センター
キーワード:
生体模倣システム(MPS)
,
小腸
,
肝臓
,
ヒトiPS細胞
Keyword:
生体模倣システム(MPS)
,
小腸
,
肝臓
,
ヒトiPS細胞
pp.787-792
発行日 2023年5月27日
Published Date 2023/5/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28509787
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生体模倣システム(MPS)は,既存技術では実現できなかった高次なin vivo機能をin vitroで可能とする技術体系を指す.入手可能な製品として開発されているMPSの多くは小腸や肝臓を対象としている.小腸MPSに対しては高次の吸収率の予測が期待されているが,ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞の出現によって対応可能となった.一方,現時点の技術では困難な長期培養や腸内細菌との共培養に対するMPSへの期待は大きい.肝臓MPSに関しては活性代謝物や反復/長期曝露による毒性評価系の開発が期待されている.三次元培養により長期間にわたり高い機能を維持することが可能となる.また,複数の細胞との共培養により病態解明や治療薬開発への利用が期待される.今後のMPSの展望として,米国で新薬開発における動物実験の義務を廃止する法案が成立したことにより,今後,さらにMPSの実用化に向けた研究が加速するものと思われる.
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