Japanese
English
特集 不登校の理解と支援
【不登校に潜む精神疾患・症状】
いじめ被害と不登校,自殺
Bullying, Refusal to Attend School, and Suicide
桝屋 二郎
1,2
Jiro Masuya
1,2
1東京医科大学精神医学分野
2ふくしま子どもの心のケアセンター
1Tokyo Medical Univ. Department of Psychiatry, Tokyo, JAPAN
2Fukushima Center for Child Mental-Health
キーワード:
いじめ
,
bullying
,
不登校
,
refusal from school
,
子どもの自殺
,
child suicide
,
トラウマ
,
trauma
,
小児期逆境体験
,
adverse childhood experiences
,
ACEs
Keyword:
いじめ
,
bullying
,
不登校
,
refusal from school
,
子どもの自殺
,
child suicide
,
トラウマ
,
trauma
,
小児期逆境体験
,
adverse childhood experiences
,
ACEs
pp.1301-1309
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207399
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抄録
日本においては,いじめの認知件数は増加の一途をたどっている。2011年の滋賀県大津市におけるいじめ自殺事件は社会問題化し,2013年の「いじめ防止対策推進法」成立につながった。本法では学校におけるいじめの定義や予防・対策について法的に規定されている。小児期のいじめ被害体験は小児期逆境体験(ACEs)の定義拡大時に新たに加えられたように,人の健全な発達の過程に逆行するようなトラウマ体験であり,心身の成長発達に大きな悪影響をもたらすことが分かってきた。いじめ被害は短期的には不安や抑うつ気分・登校困難などを生じるが,重篤になると自殺リスクが上昇する。一方で長期的に見ても,成人期以降のうつ病や不安症の発症,あるいは自殺リスクを有意に高める。
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