Japanese
English
特集 いじめと精神医学
いじめ被害を受けた児童思春期の子どもへのケア
Psychological Support for Children and Adolescents Affect by Bullying
八木 淳子
1,2
Junko Yagi
1,2
1岩手医科大学医学部神経精神科学講座
2いわてこどもケアセンター
1Department of Neuropsychiatry, Iwate Medical University, Morioka, Japan
2Iwate Children Care Center
キーワード:
いじめ
,
bullying
,
トラウマインフォームドケア
,
trauma informed care
,
再トラウマ化
,
re-traumatization
,
トラウマフォーカスト認知行動療法
,
trauma-focused cognitive behavioral therapy
,
心理教育
,
psycho education
Keyword:
いじめ
,
bullying
,
トラウマインフォームドケア
,
trauma informed care
,
再トラウマ化
,
re-traumatization
,
トラウマフォーカスト認知行動療法
,
trauma-focused cognitive behavioral therapy
,
心理教育
,
psycho education
pp.219-227
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206279
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抄録 いじめは,強者が弱者を一方的に支配する不均衡な構造を持ち,被害者の心身を深く傷つけ,その影響は生涯にわたり続くこともある。いじめが被害者にもたらすさまざまな影響を理解し,トラウマインフォームドの視点でいじめの早期発見と被害児の保護,適切なケアと予防対策に取り組み,社会総がかりでいじめ問題に向き合うことが求められる。被害者のケアにおいては,いじめの構造と被害者の心理行動特性を理解し,トラウマ反応に対する適切な働きかけを行って,被害者の再トラウマ化を防ぐことが肝要である。保護された環境のもとで,心理教育や自己対処スキルの獲得によって被害者が自己効力感を取り戻し,否定的自己観や非機能的認知が修正され,心身の健康を取り戻していけるようなケアが展開されることが望まれる。
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