Japanese
English
特集 災害精神医学—自然災害,人為災害,感染症パンデミックとこころのケア
トラウマ・災害と家族・教育・社会と脳
Individual and Post-disaster Traumatic Events and Experiences in Family, Education, and the Society, and its Effect on the Brain
山岸 美香
1
,
金原 明子
1
,
笠井 清登
1
Mika Yamagishi
1
,
Akiko Kanehara
1
,
Kiyoto Kasai
1
1東京大学医学部附属病院精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, the University of Tokyo, Tokyo, Japan
キーワード:
トラウマ
,
trauma
,
小児期逆境体験
,
adverse childhood experiences
,
ACEs
,
ヤングケアラー
,
young carer
,
多様性と包摂のための個体脳-世界相互作用にインフォームドな神経科学
,
world-informed neuroscience for diversity and inclusion
,
WINDI
Keyword:
トラウマ
,
trauma
,
小児期逆境体験
,
adverse childhood experiences
,
ACEs
,
ヤングケアラー
,
young carer
,
多様性と包摂のための個体脳-世界相互作用にインフォームドな神経科学
,
world-informed neuroscience for diversity and inclusion
,
WINDI
pp.285-291
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206864
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抄録
人間存在は,その脳により精神と行動を生み出し,他者や社会・環境(世界)と相互作用する。個人が世界と相互作用する際の,間にある比較的小さい集団単位として主要なものが家族である。また,世界との相互作用を比較的構造化された枠組みで学習・経験する主要な集団単位が学校教育である。こうした個人-世界相互作用の場に,個人トラウマとしての家族内虐待や学校でのいじめや,集団トラウマとしての災害や戦争などが,ライフコースに沿って急性・慢性の出来事として切り込んできて,個人の精神・脳に体験され,影響が生じる。トラウマ・災害と脳の関係を個体脳-世界相互作用の視点から学際的に研究することを,「多様性と包摂のための個体脳-世界相互作用にインフォームドな神経科学」(world-informed neuroscience for diversity and inclusion:WINDI)と呼び,このような研究を推進するために家族,教育現場,社会に関連した小児・思春期の出来事や体験を評価するために筆者らが開発・標準化した尺度を紹介した。
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