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特集 いじめと精神医学
災害といじめ—東日本大震災後の福島をめぐるいじめとコロナ禍
Bullying Related to Fukushima after the Great East Japan Earthquake and During the Covid-19 Disaster
内山 登紀夫
1,2
Tokio Uchiyama
1,2
1大正大学心理社会学部臨床心理学科
2福島大学子どものメンタルヘルス支援事業推進室
1Department of Clinical Psychology, Faculty of Psychology and Sociology, Taisho University, Tokyo, Japan
2Fukushima University Child Mental Health-care Center
キーワード:
いじめ
,
bullying
,
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
放射線恐怖
,
radiation fear
,
福島第一原発事故
,
Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident
Keyword:
いじめ
,
bullying
,
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
放射線恐怖
,
radiation fear
,
福島第一原発事故
,
Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident
pp.187-197
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206276
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抄録 福島第一原発事故後に放射能被曝に関連して生じたいじめと,新型コロナ禍におけるいじめの類似性について論じた。いじめは単に加害者と被害者の2項関係で生じるのではなく,家族,仲間のグループ,学校,コミュニティや社会状況などが複雑に関与している。第一原発事故の後,福島県内外において避難者や被害者を対象にしたいじめ,偏見,差別が生じた。放射能がうつるなどの科学的にはあり得ないような誤解に基づくものがあったが,それだけでは説明がつかない。現在のコロナ禍においても,感染者,医療者,感染者の多い地区の集団や住民への差別,偏見などが生じている。その背景には行動免疫システムの活性化がある。いじめの対策には加害者を非難するだけでなく,環境要因に目を向ける必要がある。
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