Japanese
English
特集 複雑性PTSDの臨床
子どもの複雑性PTSD—アセスメント,診断,治療的アプローチ
Complex PTSD in Children:Assessment, Diagnostic, and Therapeutic Approaches
笠原 麻里
1
Mari Kasahara
1
1駒木野病院
1Komagino Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
複雑性PTSD
,
complex PTSD
,
子ども虐待
,
child abuse
,
アタッチメント障害
,
attachment disorder
,
境界性パーソナリティ障害
,
borderline personality disorder
,
トラウマインフォームドケア
,
trauma informed care
Keyword:
複雑性PTSD
,
complex PTSD
,
子ども虐待
,
child abuse
,
アタッチメント障害
,
attachment disorder
,
境界性パーソナリティ障害
,
borderline personality disorder
,
トラウマインフォームドケア
,
trauma informed care
pp.1158-1163
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207058
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抄録
本稿では,子どもの複雑性PTSDについて,評価と診断において注意すべき点,治療的アプローチの心得として重要な点を述べた。トラウマ体験の評価は本人と保護者を別席で行うことが必要であるが,体験はしばしばその時に語られず,十分把握できないことも多い。医療機関では,出来事の真偽を確認しきれないまま関与が始まることもあるわけだが,まず,子どもの語りを主観的体験として受け止めることが肝要である。一方,語られた出来事においては,子どもの嘘や保護者の代理によるミュンヒハウゼン症候群の可能性を念頭に置く必要もある。さらに,トラウマ関連症状の評価には,子どもの精神発達段階を考慮した評価が必要である。子どものDSO症状の評価のためには,子どもの発達段階や発達特性に応じた情動統制や対人関係技能の標準的発達を理解している必要がある。治療的アプローチとしては,まず,トラウマインフォームドケアが重要である。
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