Japanese
English
特集 いじめと精神医学
学校におけるいじめ対応
Responding to Bullying in School
野村 武司
1,2
Takeshi Nomura
1,2
1東京経済大学現代法学部
2獨協地域子ども法律事務所
1Faculty of Contemporary Law, Tokyo Keizai University, Tokyo, Japan
2Dokkyo Children and Community Law Office
キーワード:
いじめの理解
,
understanding bullying
,
いじめの発見
,
finding bullying
,
いじめへの対応
,
responding to bullying
,
学校いじめ防止対策組織
,
anti-bullying organization in school
Keyword:
いじめの理解
,
understanding bullying
,
いじめの発見
,
finding bullying
,
いじめへの対応
,
responding to bullying
,
学校いじめ防止対策組織
,
anti-bullying organization in school
pp.209-217
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206278
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抄録 いじめは,行った側が軽く考える一方で,受けた側が深く傷ついているなど意識に大きなギャップがあるのが特徴である。それゆえ,いじめはどこにでも起こる。いじめを早期に発見するには,受けた側の傷つきにできるだけ早くかつ敏感に気付く必要があるが,社会通念として使用されている「いじめ」という用語の影響により,その判断において無意識に行為に目がいき,かつ判断が抑制的になる傾向がある(行為主義)。いじめを早期に発見するためには,「傷つき=心身の苦痛」を尺度(アンテナ)として持つことをはっきりと意識すべきで,子どもが傷つきを表現しない現状も踏まえると,アンテナの精度を上げる取組みとともに,組織的に複数の目をもって対応する必要がある。学校現場では,生活指導組織がいじめ防止対策組織を兼ねることが多いが,行為主義を本質としている生活指導による対応には問題がある。また,いじめの対処においても意識のギャップに留意して対応することが重要である。
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