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研究と報告
DSM-Ⅲ多軸評定の有用性—その2.過去1年間の適応機能の最高レベル(第5軸)の評定と多軸診断システムによる転帰予測
Usefullness of DSM-Ⅲ Multi-axial Evaluation (2): Evaluation of the highest level of adaptive functioning past year and prediction of outcome by multi-axial system
安屋敷 和秀
1
,
高橋 三郎
1
,
高橋 清久
1
,
花田 耕一
1
,
中村 道彦
1
Kazuhide Ayajiki
1
,
Saburo Takahashi
1
,
Kiyohisa Takahashi
1
,
Koichi Hanada
1
,
Michihiko Nakamura
1
1滋賀医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
キーワード:
DSM-Ⅲ
,
Multi-axial system
,
Axis 5
,
Term of hospitalization
Keyword:
DSM-Ⅲ
,
Multi-axial system
,
Axis 5
,
Term of hospitalization
pp.1339-1347
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204253
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抄録 DSM-Ⅲ診断における第5軸の有用性を検討する目的で入院患者229例を用い,第5軸の診断別分布様式,性別,年齢,および第4軸,第5軸の評定と在院日数との関連性について,検討した。
(1)過去1年間の社会適応レベルは精神病性障害,神経症圏,感情障害の順に高くなっていた。
(2)精神分裂性障害の適応レベルは極めて低く,分裂病様障害はこれに比して高かった。
(3)感情障害では,適応レベルが,双極感情障害,大うつ病反復性,大うつ病単一エピソードの順に高くなってゆき,この順序と同様にストレス因の頻度は,増加していた。
(4)在院日数は精神分裂病妄想型では年齢に逆相関し,感情障害全般では,相関していた。双極感情障害では,第4軸,第5軸の評定を組み入れることで,重回帰式を用いて高い確率で在院日数を予測できた。大うつ病単一エピソードの在院日数は,第4勅との関連が強かった。
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