連載 教育評価のはなし
評定の尺度について
岸 学
1
1東京学芸大学
pp.355
発行日 1986年4月25日
Published Date 1986/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206865
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実習の評価では,看護の知識,技術,態度などのさまざまな側面について評価の観点を定め,それぞれの評価項目に対して3段階や5段階で評定していくという方法が,よく使われていると思います。そして,いくつかの項目の合計点と平均を求め,平均2.5や4.0以上であれば総合評価Aとする,などの基準を設けて,採点を行なっている場合が数多くあるように思われます。しかし,一見あたりまえに使っているこの方法にも,測定の考え方からみると,問題点があります。
1985年9月号でも少し触れましたように,3段階や5段階などの評定値をそのまま合計し,平均を求めることには問題があります。数の合計を求めるということは,それらの数をたしてもよい,すなわち加算性がある場合に限られるからです。
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